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新潟家庭裁判所 昭和40年(家)3814号 審判 1966年4月04日

申立人 小山ヨシエ(仮名)

相手方 安田次男(仮名) 外七名

主文

一、被相続人亡安田昭男(昭和三九年八月二四日死亡)の遺産の管理者として、弁護士安藤剛(法律事務所は新潟市東中通一番町大和生命保険会社二階)を選任する。

二、管理者は、本件遺産分割事件が終了するまでの間、別紙第一乃至第三目録記載の不動産その他の遺産を次の各項に定めるところにより保管しなければならない。

ただし、第三項および第五項に定めるところと異る方法によるを相当と認める場合において、相続人全員の同意を受けたときは、それによることができるが、この場合は速かに当裁判所に報告しなければならない。

三、管理者は、別紙第二目録記載の農地を相続人安田次男に第三目録記載の農地を相続人安田重子に、それぞれ耕作を委託しなければならない。

ただし、両名(次男および重子をいう。以下同じ)の一方が本文の区分による農地の全部又は一部の耕作を受託しない場合は、その農地を他方に委託し、他方もまた受託しない場合は、これを両名以外の者に委託することができる。

四、前項の委託は、毎年遅くとも一一月末日(委託年度末という)限り失効させるものとする。

ただし、更新するを妨げないが、この場合は予め当裁判所の承認を受けなければならない。

五、管理者は、両名に耕作を委託した場合は、委託面積一、〇〇〇平方米(概ね一反)当り二五〇キログラムの割合で算定した三等玄米の供出代金に相当する金員を委託年度末の翌月の一五日までに受託者から徴収しなければならない。

六、管理者は、両名以外の者に農地の耕作を委託する場合はなるべく前項に準ずる条件で委託し、所定の金員を徴収しなければならない。

七、管理者は、後に当裁判所の定める報酬を受けるものとし前二項の徴収金は、管理者の報酬、管理の費用および遺産についての公租公課の支払いに引当てるものとする。

八、管理者は、相続人次男に委託する農地のうち一部につき期間を指定し、これを相続人重子の水田耕作の稲苗の全部または一部の育成の用途に供させることができる。

九、相続人次男は、管理者に対し、速かに遺産の管理に関する事務および証憑等を引継ぎ、その引継を受けた管理人との間に直ちに管理の計算をしなければならない。

一〇、管理者は、前項の引継を受けてから三ヵ月以内に別紙第一乃至第三目録記載の不動産その他の遺産の現況を当裁判所に報告しなければならない。

一一、管理者は、六ヵ月毎に本件遺産の管理に関する収支明細書を作成し、当裁判所に提出しなければならない。

一二、管理者は、特別の事情がある場合において前各項による管理の方法を変更することを相当と認めるときは、当裁判所の承認を受けるものとする。

一三、遺産の管理に関しては、前各項に定めるもののほかは、管理者において定めるところによるものとする。

一四、相続人等は、管理者が遺産を調査し、管理することを妨害してはならない。

(家事審判官 新川吹雄)

目録<省略>

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